以前のPST(2.x)から移行する場合 - PST Managerで設定する(3.0.0)

PST(3.x)では、以前のPST(2.x)から構成を変更しました。そのため、従来のyum updateによるアップデートではなく、移行が必要となります。

PST(2.x)モジュールをアップデートする

PST(3.x)へ移行する前に、PST(2.x)を最新のバージョンにアップデートします。アップデートにはroot権限が必要です。

$ sudo yum update kusanagi-prem

または

$ su -
[root@kusanagi8 ~]# yum update kusanagi-prem

PST(2.x)のプロファイルをアップデートする

PST(3.x)へ移行する前に、PST(2.x)でPSTを有効化している全てのプロファイルを、それぞれ最新にアップデートします。PSTを有効化しているプロファイルは、PST Managerから確認できます。または、root権限で以下のコマンドから確認できます。

[root@kusanagi8 ~]# for i in /home/kusanagi/*; do test -f $i/wexal/pst.config.yaml && echo $i; done
/home/kusanagi/プロファイル名

プロファイルのアップデートはPST(2.x)のpstコマンドで行います。PST(2.x)のpstコマンドはroot権限が必要です。

[root@kusanagi8 ~]# cd /home/kusanagi/プロファイル名
[root@kusanagi8 プロファイル名]# pst -v

ProfileのVersionとGlobalのVersionが同じ場合:

アップデートは不要です。

ProfileのVersionがv2.4.4より前の場合:

[root@kusanagi8 プロファイル名]# test -f /etc/httpd/conf.d/ssl.conf && mv /etc/httpd/conf.d/ssl.conf /etc/httpd/conf.d/ssl.conf.bak
[root@kusanagi8 プロファイル名]# pst init --rebuildconf

ProfileのVersionがv2.4.4以降の場合:

[root@kusanagi8 プロファイル名]# pst init

リバースプロキシの場合はpst initコマンドに--reverseproxyオプション、--originオプションの指定も必要です。

PST(2.x)モジュールをアンインストールする

PST(2.x)モジュールをアンインストールします。アンインストールはroot権限が必要です。

[root@kusanagi8 ~]# yum erase kusanagi-prem kusanagi-nodejs-prem kusanagi-lua-prem

PST(3.x)モジュールをインストールする

PST(3.x)モジュールをインストールします。インストールはroot権限が必要です。

[root@kusanagi8 ~]# yum install kusanagi-prem3

PST Managerのユーザーを追加する

PST ManagerはPSTの機能を制御するためのWeb管理画面です。PST Managerにログインするためのユーザーを追加し、認証情報を設定します。ユーザーの追加はpst passwdコマンドで行います。

ユーザー名は英字小文字、英字大文字、数字、.(ピリオド)、_(アンダースコア)、-(ハイフン)の組み合わせで、3文字以上16文字以内である必要があります。

パスワードは 英字小文字、英字大文字、数字、.(ピリオド)、!(エクスクラメーション)、#(シャープ)、%(パーセント)、+(プラス)、_(アンダースコア)、-(ハイフン) の組み合わせで、8文字以上である必要があります。

pstコマンドはkusanagiユーザー、または、root権限が必要です。なお、PST(2.x)のPST Managerに設定したユーザーと認証情報は引き続き使うことができます。その場合はユーザーの追加は不要です。

[kusanagi@kusanagi8 ~]$ pst passwd add --user ユーザー名 --pass パスワード

プロファイルの初期設定を行う

PST(2.x)でPSTを有効化していた全てのプロファイルに対して初期設定をします。初期設定はPST(3.x)のpst initコマンドで行います。プロファイルの指定はpstコマンドの末尾に指定します。あるいは、プロファイルのディレクトリにカレントディレクトリを移動してコマンドを実行することも可能です。PST(3.x)のpstコマンドはkusanagiユーザー、または、root権限が必要です。

[kusanagi@kusanagi8 ~]$ pst init プロファイル名

または

[kusanagi@kusanagi8 ~]$ cd /home/kusanagi/プロファイル名
[kusanagi@kusanagi8 プロファイル名]$ pst init

PSTの初期設定が完了すると、PST ManagerのURLが表示されます。

pst watch stopped.
pst watch started.
Info: open WEXAL manager form http://xxx.xxx.xxx.xxx:61000

以降の手順は、PSTコマンドから行うこともできます。PSTコマンドから行う場合は 以前のPST(2.x)から移行する場合(続き) - PSTコマンド を参照してください。

ポートを開放する

PST Managerは、デフォルトでシステムのグローバルIPアドレス、ポート61000を使用します。各クラウドの設定方法に従い、TCPプロトコル、ポート番号61000でアクセスできるように設定してください。また、セキュリティ向上のために必要に応じてIPアドレスによる接続制限を設定してください。

なお、 PST(2.x)でPST Managerを使用していた場合はポートを開放済のため、この手順は不要です。

PST Managerにアクセスする

「プロファイルの初期設定を行う」で表示されたPST ManagerのWebページ(URL)にブラウザからアクセスします。ログイン画面が表示されたら、「PST Managerのユーザーを追加する」で設定したユーザー名とパスワード、または、PST(2.x)のPST Managerで使用していたユーザー名とパスワードを入力してログインします。

PSTを有効化する

PSTの初期設定を完了したプロファイルに対して、PSTを有効化します。PSTの有効化はプロファイルのダッシュボードから行います。PSTのスイッチをONにしてPSTを有効化します。併せて、リソース監視のスイッチがONになっていることを確認してください。また、PSTを有効化したいプロファイルがダッシュボードにない場合、そのプロファイルの初期設定が行われていません。上記の「プロファイルの初期設定を行う」を参照してください。

なお、PST(2.x)においてPSTを有効化していた場合は設定が引き継がれます。

PSTの設定を変更する

PSTの設定はプロファイルのダッシュボードのモードから変更できます。モードは、スマートモード、エキスパートモード、デベロッパーモードから選択できます。変更する場合は、新しいモードを選択して「変更」をクリックします。初期設定では「スマートモード」に設定されています。

スマートモードの詳細設定を変更する

スマートモードでは、メニューペインの「基本設定」と「スマートモード」から、より詳細に設定を変更できます。変更後に「保存して適用」をクリックします。

  • リソース最適化:この設定により、リソースの最適化から除外したいリソースの種類とパス、画像の圧縮レベルを変更できます。
    • 最適化設定:
      • 画像、CSS、JSの3種類のチェックボックスのON/OFFで、有効/無効を設定します。
    • 画像圧縮レベル:
      • 1から100の値を設定し画像圧縮レベルを指定します。低い値ほど圧縮されてファイルサイズが小さくなりますが、画質が劣化します。
    • 全体除外:
      • PSTの最適化対象に含めないディレクトリをプロファイルのDocumentRootからの絶対パスで指定します。
    • 設定を保存ボタン:
      • 上記の設定を保存します。
    • リソースを最適化ボタン:
      • 全てのリソースを対象に、上記の設定に基づきリソース最適化を実行します。なお、優先的に特定のリソースを最適化したい場合、「最優先でリソース最適化」チェックをONにし、フォルダやファイルへのパスを指定し、「リソースを最適化」を実行します。
  • 最適化済リソースの削除 :この設定より、期間とリソースを指定して、最適化済のリソースを削除することができます。
    • 期間を指定して最適化済リソースを削除:
      • 年、月、日、時、分単位を指定します。
      • 「より古いリソースを削除」ボタンより、指定期間より古い最適化済リソースを削除します。
    • リソースを指定して最適化済リソースを削除:
      • 削除したいフォルダやファイルへのパスを指定し、「最適化済リソースを削除」を実行します。なお、最適化除外リソースのみ削除したい場合、「最適化除外リソースのみ削除」チェックをONにし、「最適化済リソースを削除」を実行します。
  • 最適化戦略設定:この設定より、戦略AI Davidによるコンテンツの最適化戦略を変更できます。
    • 最適化戦略無効設定:
      • Lazy load、proxy、webfont、engagement delayの4種類のチェックボックスのON/OFFで、有効/無効を設定します。
    • engagement delay適用除外設定:
      • 各設定項目の、ファイルタイプ(type)、パス/指定オブジェクト(path/needle)、戦略AI Davidステータス、除外チェックボックスが一覧表示されます。チェックボックスのON/OFFで、除外設定を行います。
    • 保存して適用ボタン:
      • 上記の設定を保存します。

リソース最適化の変更は、次回リソースの最適化を行う時から反映されます。即座に反映したい場合は、「リソースを最適化」を実行します。リソースの最適化から除外したいリソースに対して既に最適化済リソースが生成されている場合は、そのリソースが更新されるまで自動的には削除されません。即座に反映したい場合は、「最適化済リソースを削除」を実行します。

最適化戦略の変更は、次回Webページ(URL)にリクエストがあり最適化戦略を生成する時から反映されます。なお、最適化戦略は一定時間(デフォルトは1時間)再生成しません。そのため、変更が有効となるのは、一定時間を経過した後、最適化戦略が再生成されてからとなります。

エキスパートモードの詳細設定を変更する

エキスパートモードでは、メニューペインの「基本設定」と「エキスパートモード」から、より詳細に設定を変更できます。変更後に「保存して適用」をクリックします。

  • リソースの最適化:この設定により、リソースの最適化から除外したいリソースの種類とパス、画像の圧縮レベルを変更できます。
    • 最適化設定:
      • 画像、CSS、JSの3種類のチェックボックスのON/OFFで、有効/無効を設定します。
    • 画像圧縮レベル:
      • 1から100の値を設定し画像圧縮レベルを指定します。低い値ほど圧縮されてファイルサイズが小さくなりますが、画質が劣化します。
    • 全体除外:
      • PSTの最適化対象に含めないディレクトリをプロファイルのDocumentRootからの絶対パスで指定します。
    • 設定を保存ボタン:
      • 上記の設定を保存します。
    • リソースを最適化ボタン:
      • 全てのリソースを対象に、上記の設定に基づきリソース最適化を実行します。なお、優先的に特定のリソースを最適化したい場合、「最優先でリソース最適化」チェックをONにし、フォルダやファイルへのパスを指定し、「リソースの最適化」を実行します。
  • 最適化済リソースの削除 :この設定より、期間とリソースを指定して、最適化済のリソースを削除することができます。
    • 期間を指定して最適化済リソースを削除:
      • 年、月、日、時、分単位を指定します。
      • 「より古いリソースを削除」ボタンより、指定期間より古い最適化済リソースを削除します。
    • リソースを指定して最適化済リソースを削除:
      • 削除したいフォルダやファイルへのパスを指定し、「最適化済リソースを削除」を実行します。なお、最適化除外リソースのみ削除したい場合、「最適化除外リソースのみ削除」チェックをONにし、「最適化済リソースを削除」を実行します。
  • 最適化戦略:この設定より、戦略AI Davidによるコンテンツの最適化戦略を変更できます。
    • 最適化戦略無効設定:
      • Lazy load、proxy、webfont、engagement delayの4種類のチェックボックスのON/OFFで、有効/無効を設定します。
    • ディレクティブ除外設定:
      • ディレクティブの除外設定を行います。除外するパスを正規表現で指定します。設定が行えるディレクトリは次の通りです。
        • defer external js、lazy load、lazy youtube、lazy video、link dns prefetch、link lcp preload、normalize newlines、proxy、reduce script、repair jquery、secure target blank、split inline css webfont、tidy、wp opt genericons、wp remove emoji、wp remove header、wp remove meta、wp shorten url、wp remove wpcf7
    • engagement delay適用除外設定:
      • 各設定項目の、ファイルタイプ(type)、パス/指定オブジェクト(path/needle)、戦略AI Davidステータス、適用チェックボックス、除外チェックボックスが一覧表示されます。チェックボックスのON/OFFで、適用設定と除外設定を行います。
    • 保存して適用ボタン:
      • 上記の設定を保存します。

リソース最適化の変更は、次回リソースの最適化を行う時から反映されます。即座に反映したい場合は、「リソース最適化」を実行します。リソースの最適化から除外したいリソースに対して既に最適化済リソースが生成されている場合は、そのリソースが更新されるまで自動的には削除されません。即座に反映したい場合は、「最適化済リソースを削除」を実行します。

最適化戦略の変更は、次回Webページ(URL)にリクエストがあり最適化戦略を生成する時から反映されます。なお、最適化戦略は一定時間(デフォルトは1時間)再生成しません。そのため、変更が有効となるのは、一定時間経過した後、最適化戦略が再生成されてからとなります。

デベロッパーモードの詳細設定を変更する

デベロッパーモードは、PST Managerからは設定を変更できません。詳細は上記の「PSTの設定を変更する」を参照してください。

また、誤ってPST設定ファイルを編集したためにマニュアルモードになった場合、pst config initコマンドで設定ファイルを初期化できます。詳細はPSTコマンドを参照してください。

リソースを最適化する

PSTではリソース監視サービス(watch)がプロファイルにおけるリソースの変更を監視して、更新に応じて画像、スクリプト、スタイルシートから最適化済リソースファイルを生成します。しかし、PSTの初期設定を行う前よりプロファイルに存在するリソースに関しては、更新されるまで最適化済リソースファイルが生成されません。そのため、プロファイルのリソースを対象に最適化済リソースファイルを生成する必要があります。

リソース最適化はプロファイルのダッシュボードから行います。リソースのファイル数が多い場合は、最適化に時間がかかります。最適化を行う対象ディレクトリを限定することで、最適化にかかる時間を短縮することができます。

なお、PST(2.x)の最適化済リソースファイルはそのまま使うことができます。最適化済のリソースファイルが存在する場合は最適化を行いません。